高等教育質保証における評価の手法

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高等教育質保証における評価の手法

~アクレディテーション、オーディット、アセスメント、エバリュエーションのそれぞれの機能~

本版では、高等教育質保証における評価の手法である、「アクレディテーション」、「オーディット」、「アセスメント」を収録しています。現在実施されている種々の評価では、これらの手法が単独または複合的に用いられていますが、手法がもつ機能を理解することで、評価制度の重点やねらいを十分に把握することにつながるものと考えられます。ここでは、上述の収録語と、「エバリュエーション」の各語の機能に着目します。(1)

アクレディテーション

一般的に、アクレディテーションは、ヒトやモノ、組織のある時点に着目して、ある資格を有するに足る水準に達しているかどうかを確認する行為、または生産工程などの活動のプロセスやシステムが一定水準にあること、すなわち品質を確認・認証する行為を指します。

高等教育におけるアクレディテーションは、あらかじめ設定された最低限の基準に照らして、教育機関やプログラムが適切さを有しているか、または基準を充足しているかを確認する行為を指します。この際、学生受け入れや学習資源などの教育のプロセスや教育体制や学習支援などのシステムに着眼点が置かれることから、品質確認・認証に近いアプローチが採用されているといえます。

オーディット

オーディットは「監査」あるいは「監視」と日本語訳されますので、一般的には法律に準拠していることを確認し、それに反する場合には是正を求めるなどの一定の強制力をもった行為が想定されます。一方、プログラムや事業の評価においては、内部の評価や調査の信頼性を確認するための行為を指しています。

高等教育におけるオーディットは、後者に近いアプローチです。大学内部においてPDCAサイクルに基づく質保証システムが整備され、機能しているかどうかを点検することが、オーディットということになります。

アセスメント

アセスメントは、多様な分野で様々な事象を対象にして評価・測定する行為として用いられています。高等教育においても、教育機関、教育プログラム、授業科目、学生など、測定の対象は多様です。代表的な例として、学習成果のアセスメントが挙げられます。学生があらかじめ設定された学習成果に照らして、どの程度成果に到達したか、または知識・技能を獲得できたかを測定する行為のことです。

エバリュエーション

英語の「Evaluation」は、ある事象の成果がどの程度現れたかを測定し、その事象の価値を判断する行為と説明されます(2)。実際には、多様な場面でエバリュエーションが行われ、評価行為を総称する用語として用いられています。高等教育の評価においては、教育機関や教育プログラムが有する価値や特長を識別すること、あるいは教育機関が掲げる目標の達成状況を評価することをエバリュエーションということができます。

認証評価 ・・・ アクレディテーションとエバリュエーションの複合形

上述の機能に照らすと、認証評価は、認証評価機関が定めた評価基準に基づき、受審機関の教育研究の状況を評価するという「アクレディテーション」の機能と、機関の特徴的または優れた取組みを指摘する「エバリュエーション」の機能を合わせ持った評価制度と整理することができます。

海外の評価制度 ・・・ 制度の機能に応じた名称

米国の第三者評価制度は、Accreditationと呼ばれています。評価団体が策定する基準に基づいて、大学や教育プログラムの評価が行われています。オランダでは、教育機関全体向けのAuditと、教育プログラムを対象とするAssessmentの両者を包含した評価制度となっており、異なる評価の領域・基準が設定されています。

Means of Appraisal in Higher Education Quality Assurance: The Functions of Accreditation, Audit, Assessment, and Evaluation